抄録
茎径変化測定法をもちいて, ブドウ巨峰樹の体内水分動態を非破壊で把握する手法を確立するとともに, 茎径変化に及ぼす環境要因の影響について調査した.
1.茎径変化の測定部位は母枝が安定で, 適正部位と考えられた.
2.茎径収縮量と体内水ポテンシャルの関係は, 一次の回帰式で表され, 高い相関を示した.
3.したがって, 茎径変化の測定により, 体内水分欠乏を非破壊で連続的に把握できることが確認された.
4.ブドウ樹の体内水分動態は日射強度に強く依存し, 土壌への灌水は体内水分回復への従属的な一要因と考えられた.