抄録
植物個体の重量生長を, 初期重量をバランス重量により相殺し, 生長による微小重量増分を計測しうる天秤型の重量計測システムを開発した.線形性, ノイズ, 温度特性, 液面変動および試料植物を水耕栽培したまま計測することの影響等について検討した結果, 開発した計測システムの分解能はほぼ1mg以内と考えられた.
つぎに, 開発した重量計測システムを用いて, 水耕栽培したシュンギクについて, 照射光源の照度を一定として, 連続的に生体重量変化を記録したところ, 光条件の差により生体重量の変動に差を生じることが確認された.また, 温度, 栽培液濃度など他の条件は一定としておき, 光源の照度のみ6段階に設定し, ある照度の段階で1時間栽培を行ったのち重量増分を計測し, 順次照度を変化させ増分を計測する実験を行ったところ, 重量増加速度最大となる光条件があることが示された.
さらに, 水耕栽培した試料シュンギクを, 他の条件は一定に保持し光源の照度のみ制御要因として, 重量増加速度を最大とする条件を求める実験を行った結果, 生長にとって最適な条件を, 重量増加速度を指標として探索しうる可能性が示唆された.