抄録
本実験では, 培養器の換気回数が大きく, 支持材が繊維製であるSS区において, Wf, Wd, 乾物率および純光合成速度が大きい小植物体が得られ, その小植物体はT/R比が小さく, シュート, 節間が短い傾向にあり, 移植用苗として有利であると考えられた.TF区の小植物体はWf, WdともにSS区のそれより小であったが, 乾物率, T/R比およびシュート長などについてはSS区と同傾向にあった.SP区の小植物体はシュートが伸長するものと多芽体となるものの二つに大別できる.またSP区, TA区の小植物体にはビトリフィケーションがみられたものがあった.
これらのことから, 培養器・支持材の種類は小植物体の生長に影響を及ぼしていることが明らかになった.これは培養器・支持材の種類が異なると, おもに, 培養器内の空気流動, CO2濃度, 相対湿度および根圏の気相率などが異なるからであると考えられた.本実験では培養室内の環境条件を従来法に近いものにしたが, 用いる培養器・支持材の特性を考慮し, 培養室内の環境条件を変えれば, さらに小植物体の生長は促進されるであろう.