生物環境調節
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30 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ―その現状と課題―
    半田 高, 原田 宏
    1992 年 30 巻 2 号 p. 53-58
    発行日: 1992/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 田中 和夫, 島地 英夫
    1992 年 30 巻 2 号 p. 59-64
    発行日: 1992/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    トマトの大量苗生産に必要な高密度苗生産技術の一つとして接触刺激の利用を検討した.
    1) 作動時刻, 走行速度および高さを任意に変えることができる自動走行式の接触刺激装置を作成した.この装置を用い, トマト苗の生長部に30分に1往復の頻度で, 走行速度は10m/minに設定して接触刺激を行った.2) トマト苗の生長部への接触刺激を行うことにより, 徒長防止だけでなく, 主茎長を中心とした生育の均一化や乾物率の上昇による苗質向上の効果が認められた.なお, 接触刺激によるトマト苗の乾物生産能力の低下はほとんどなく, また花芽の発育にも悪い影響を認めなかった.
    3) 接触刺激を利用することで, トマトの苗生産は最大栽植密度を展開葉数が4~5枚までの場合で約1, 000株/m2, 展開葉数が6~7枚までの場合で約400株/m2まで高めることが可能と考えられた.
    4) 生育初期から生育速度に個体間差の大きいトマト培養苗の成苗化過程において, 生育の均一性を高める顕著な効果が接触刺激により得られた.
  • 高澤 明子, 古在 豊樹
    1992 年 30 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 1992/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本実験では, 培養器の換気回数が大きく, 支持材が繊維製であるSS区において, Wf, Wd, 乾物率および純光合成速度が大きい小植物体が得られ, その小植物体はT/R比が小さく, シュート, 節間が短い傾向にあり, 移植用苗として有利であると考えられた.TF区の小植物体はWf, WdともにSS区のそれより小であったが, 乾物率, T/R比およびシュート長などについてはSS区と同傾向にあった.SP区の小植物体はシュートが伸長するものと多芽体となるものの二つに大別できる.またSP区, TA区の小植物体にはビトリフィケーションがみられたものがあった.
    これらのことから, 培養器・支持材の種類は小植物体の生長に影響を及ぼしていることが明らかになった.これは培養器・支持材の種類が異なると, おもに, 培養器内の空気流動, CO2濃度, 相対湿度および根圏の気相率などが異なるからであると考えられた.本実験では培養室内の環境条件を従来法に近いものにしたが, 用いる培養器・支持材の特性を考慮し, 培養室内の環境条件を変えれば, さらに小植物体の生長は促進されるであろう.
  • 鈴木 晴雄, 坂爪 義弘, アスプリア ジーザスルイツ, 藤目 幸擴
    1992 年 30 巻 2 号 p. 71-79
    発行日: 1992/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    ハウスや畑地における気象環境の改良や研究実験では, 気温が代表的要因となっているが, それの水平分布 (バラツキ) の実態は明確にされていない現状である.気温や地温の温度のバラツキは栽培現場における温度の代表性, さらには栽培管理や暖房管理にも大きく影響を及ぼす.本研究ではそれら温度水平分布の実態を, 主として気象条件から明らかにすることを目的とした.得られた結果は下記のごとくである.
    (1) 東西棟ハウスの床面における日射量の水平分布 (東西方向の10測点) について, 散乱日射量の10測点の標準偏差は直達日射量の同標準偏差にくらべて, 22%ほど大きかった.日射計と同じ個所に設置した気温 (150cm高) の測点別変化は, 換気扇を設置した妻面側に近づくほど顕著な昇温を呈したが, 相対湿度 (150cm高) では一定した傾向はみられなかった.
    (2) ハウスと露地ともに, 昼間における同一深 (10cm深) の水平方向10点地温のバラツキ (標準偏差) と, 夜間の同10点地温のバラツキとでは大きな差がみられた.バラツキは経過時間に伴って特異な変化を呈した.またバラツキは露地にくらべてハウスでは2倍程度となった.
    (3) ソラマメ畑とダイズ畑の水平方向10点気温と同10点地温のバラツキを, 主要気象要因とLAIを説明変数とする重回帰分析によって検討した.ソラマメ畑では日射量による影響が気温と地温ともに大きいが, ダイズ畑では日射量とLAIによる影響が大きかった.
    (4) 水平方向の気温バラツキが影響する具体例として, ハウスの期間暖房負荷熱量とダイズ植被内熱移動量について検討した.
  • 神尾 泰昭, 高田 全一郎, 羽藤 堅治, 橋本 康
    1992 年 30 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 1992/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    A local area network (LAN) for a plant factory was designed. In this LAN, three types of computers, an AT computer (AI), a workstation (WS) and a terminal computer (TC) were connected by Ethernet.
    The file transfer speeds between the computers by using FTP command were examined as the following 4 conditions; (1) TC was used as a client and WS was used as a server, (2) WS was used as a client and AT was used as a server, (3) AT was used as a client and WS was used as a server and (4) TC was used as a client and AT was used as a server. The file transfer speed was the fastest in the condition (1), and the slowest in the condition (3) .
    Furthermore, other two data acquisition commands in addition to FTP command were used in order to characterize the condition (1) . The two commands were COPY command in Network File System (NFS) and ONE LINE COPY command in NFS. A file transfer speed from TC to WS was the highest when FTP command was sent. A file transfer speed from WS to TC was the highest when COPY command in NFS was sent.
    The effect of the file size on the file transfer speed in the condition (1) was tested by using the following three file sizes; 768, 000 bytes, 384, 000 bytes and 96, 000 bytes. File transfer speed was the same when COPY command and ONE LINE COPY command in NFS were used, i.e. independent on the size of files. However, when FTP command was used, larger size files were transferred faster than smaller size files. Thus, it was found that large file sizes such as image data could be transferred most effectively between computers by using FTP command.
  • 玉木 浩二, 田島 淳, 渡辺 武志, 生本 晃久
    1992 年 30 巻 2 号 p. 87-91
    発行日: 1992/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    静止画像伝送を農業分野に導入することにより, 生産管理労力の軽減, 生産技術の向上, 出荷調整などの利点がもたらされ, さらにコンピュータ技術と結合することにより, 農業生産の過程で遠隔地から送られてくる映像・文字情報などの多様な情報をもとにして, 栽培管理・技術指導を行い, 作物の状態の自動診断・自動制御などを行うための総合的なエキスパートシステムを発展させうる可能性を有していると思われる.このような領域の研究は緒についたばかりであるのが現状である.本研究では, 静止画伝送装置により一般加入電話回線を通じて定期的に送信された植物画像を, コンピュータを用いて解析するためのシステムを構築し, 簡単な画像処理を行うことにより, 生長解析の可能性を検討した.短期間の栽培実験による伝送静止画像であったが, その可能性が確かめられたと思われる.
    本稿をまとめるにさいし, ご指導協力を賜りました本学厚木中央農場の米安晟教授をはじめ, 施設野菜部の諸先生に感謝の意を表します.
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