抄録
正負の高圧平等電界 (約±150kV/m) 内にアスパラガスとニンジンのカルスを置床したシャーレをおき, 20日間の連続暴露 (連続区) のほか, 1日当たり8hr暴露・4hr休止 (8-4区) , 同じく2hr暴露・1hr休止 (2-1区) , 1hr暴露・2hr休止 (1-2区) の3種の20日間断続暴露処理を行い, シャーレ内の電界強度とその経時的変化, および処理条件が各カルスの増殖に及ぼす影響を調べ次の結果を得た.
1) 樹脂製シャーレ内の電界は外部の印加電界強度より低下し, 印加中でも電界強度の絶対値はわずかながら減衰しつつ安定した.
2) 正電界暴露のほうが負電界の場合よりシャーレ内電界強度の絶対値は小さくなり, また, 正電界時の電界強度は理論値より低く, 負電界では高くなった.
3) カルスに与える電気的エネルギーの観点から, 正負の両電界強度の累積値の和と差を求め, さらにそれらの正電界時の1-2区の値に対する比を求めて, カルス増殖との関連を調べたが, 相関はみられなかった.
4) カルス増殖には, むしろ累積暴露時間のほうに相関がみられ, 時間が長いほど促進した.また, 断続の周期は長いほうが増殖を促進し, 短い周期ではどの条件でも抑制した.
5) 両カルスとも電界暴露の影響を受けるが, カルスの種類により, 増殖に効果のある電界の極性と暴露時間, 断続の周期などが異なった.
6) アスパラガスカルスの増殖率は, 正電界では8-1区が, 負電界では連続区が最も増大した.乾物重, 乾物率は両電界とも連続区が最大となった.
7) ニンジンカルスの増殖率は正電界では2-1区が, 負電界では連続区が最大で, 乾物重, 乾物率は負の連続区が最良であった.
本実験にあたりご協力いただいた千葉大学園芸学部植物生産工学研究室の各位に感謝いたします.