抄録
メロンの果実品質に及ぼす接ぎ木とカルシウム施用の影響について検討した.‘プリンス’メロンを‘新土佐1号’カボチャに接ぎ木し, さらにカルシウム施用区と無施用区を設けた.
1) 全体に接ぎ木の影響が強く現れ, カルシウム施用の影響は少なかった.接ぎ木メロンは株の発育がおう盛となり, 果実の発育がすぐれた.
2) しかし, 接ぎ木メロンの果実の可溶性固形物含量は低下し, 香気や果肉色が劣り, 発酵果は増し, 全体に品質が低下した.
3) 接ぎ木メロンの果実中の窒素, カリウムおよび炭素含量が多く, 葉中のカリウム含量も多かった.しかし, 果実中のカルシウム含量は少なかった.カリウムとカルシウム両イオン相互のきっ抗作用が考えられる.
4) 果実の可溶性固形物含量と果実中, 葉中の窒素およびカリウム含量との間には高い負の相関があった.
5) 1果重が大で, 花落ち部径の大きい果実は発酵果になりやすい傾向がみられた.またその発生程度と果実中のカルシウム含量との間に高い負の相関があった.したがって, カルシウム含量を高めれば発酵果の発生をいくぶん抑制できると考える.
6) 葉中カリウム含量と果実中のカルシウム含量との間に高い負の相関がみられた.葉中のカリウム含量を測定することにより, 果実中のカリウムやカルシウム含量を, さらには可溶性固形物含量や発酵果の発生を推測できるのではないかと考える.