抄録
ナシ‘幸水’の果実の発育各期において, 土壌の乾燥に伴う樹体内水分の変化を, 果実横径ならびに幹径の日変化から把握し, 好適とする土壌水分の推察を試みた.その結果, 樹体に強い水ストレスを与えない土壌水分張力は, 果実発育細胞分裂期はpF2.40以下, 果実発育初期肥大期ではpF2.35以下, 果実発育緩慢期ではpF2.24以下, 果実発育後期肥大期ではpF2.48以下, 果実発育成熟期ではpF2.29以下, 収穫後の秋季はpF2.48と判断した.なお, pF2.3以上で光合成速度は40%以上低下した.
以上, ナシ‘幸水’の樹体に強い水ストレスを与えない土壌水分張力は, 生育段階において多少の差は見られるもののpF2.2~pF2.5の範囲内と考えられた.