生物環境調節
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キュウリ果実検出用視覚センサの研究 (第2報)
―果実の位置検出および収穫実験―
近藤 直中村 博芝野 保徳門田 充司有馬 誠一
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1995 年 33 巻 4 号 p. 237-244

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抄録

本報では, グリーンハウス, 植物工場等において, 植物の生育制御, 管理・収穫作業等を行うロボットに必要となる視覚センサの開発を目的とし, キュウリの果実の位置検出実験ならびに収穫実験を行った.その結果, 以下のことが明らかとなった.
1.ステレオ画像法を利用した位置検出実験から, 本研究で対象とした傾斜棚栽培の果実は茎葉等で隠れることが少ないため, 対応付けを容易に行うことができ, 満足のいく検出結果が得られた.
2.ステレオ画像法における画像間の対応付けにおいては, 果実の果頂部および果柄部付近が隠された場合においても対応付けが行えるアルゴリズムを開発した.その結果, 従来困難であった対応付けが容易になった.3.収穫実験の結果より, 本視覚センサの検出誤差はエンドエフェクタの構造により, 補正可能であることが確認できた.
4.ロボットのための視覚センサを開発するにあたっては, 視覚センサの性能のみならず, 他の構成要素との関連を考慮に入れ, ロボットシステムのなかでその位置づけを明らかにする必要があると考えられた.

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