抄録
4葉期のトマト (Lycopersicon esculentum Mill.) セル苗に0, 20, 100および500mgL-1アブシジン酸 (ABA) を葉面散布し, 25℃暗黒条件で10日間貯蔵した.苗の水分状態は等圧式サイクロメータで計測した.主茎長は対照区 (0mgL-1ABA) でやや大きくなったが, ABA処理区では貯蔵中の変化がなかった.しおれは対照区で最も顕著に現れ, ABA処理によって濃度が高いほど発生しなかった.対照区の葉の水ポテンシャルおよび膨圧は貯蔵10日目に大きく減少したが, ABA処理はほぼ貯蔵始めの状態に維持された.これらの結果から, ABAの葉面散布が常温保存貯蔵中のトマトセル苗のしおれを防止するのは, 蒸散の抑制と浸透圧調節機能によることが明らかになった.