生物環境調節
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節を外植体とするLagerstroemia spp.の培養増殖および培養器内ガス組成
ゾバイド セイドエムディアクター
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2000 年 38 巻 1 号 p. 1-11

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抄録
Lagerstroemia speciosa Pers.およびL.thorellii Gagnep.の成木から得た外植体 (葉2枚を有する単節) を用いて, シュート増殖および小植物体の再生を行った.外植体をMurashige and Skoog (Physiol. Plant. (1962) 15: 473-497) 培地 (1.5mgL-1BAPと0.lmgL-1IAAを含む) を用いて培養することにより, 外植体より直接, 多芽体 (4~5本/外植体) を得た.多芽体を形成するシュートより頂芽を含む単節を得, これを新しい培地上でさらに増殖培養することにより, 単節あたり約17~20本のシュートを得た.再生したシュートからの発根には1/2MS培地 (0.5mgL-1IBAを含む) を用いた.また培養器閉栓 (換気) 法がL.speciosaのin vitro発根ステージにおける成長, ex vitroでの生存率, および培養器内のエチレン濃度, CO2濃度, 相対湿度に及ぼす影響を調べた.密閉培養器内のエチレン濃度は高かったが, 強制換気条件下ではエチレンの蓄積は見られなかった.明期における培養器内CO2濃度は, 密閉培養器で50μLL-1程度まで減少した.自然換気条件下の培養器内の明期におけるCO2濃度は密閉培養器内のそれよりも高く, また強制換気条件下の培養器内のCO2濃度は試験区中で最も高くなった.相対湿度は密閉培養器内で100%に近く, 強制換気条件下で89%であった.成長量 (葉部および根部の生体重と乾物重) および生存率は強制換気条件とした試験区で最大となった.
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© 日本生物環境工学会
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