抄録
トマトおよび3種のSolanum属台木に接ぎ木したトマトセル苗 (容量50mL) と, さらに容量800mLの鉢に移植したトマト共台 (対照) を定植し, 生育および不良果の発生を調べた.共台のセル苗をpF2.5以下に管理した圃場に定植すると生育が旺盛になったが, Solanum属台木の接ぎ木苗では生育が抑制された.S.melongena台は過繁茂を抑制して対照と同程度の強勢を維持したが, S.integrifolium台とS.torvum台はさらに抑制した.S.torvum台では, 接ぎ木部直上の茎が肥大し, そこから気根が発生した.共台のセル苗を定植すると, 不良果重, とくに裂果が増え, 可販果重が減少した.Solanum属台木の中では, S.melongena台の可販果重が最も大きく, 対照のそれに近かったが, S.torvum台では最も小さかった.以上のことから, トマト共台のセル苗を圃場に直接定植すると, 裂果が増えて可販果収量が減少するが, S.melongenaなどのSolanum属台木への接ぎ木により過繁茂と不良果の発生を抑制できることが明らかになった.