生物環境調節
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NIRによるトマトの水ストレスの非破壊検出
岡村 ナンシー下町 多佳志武政 剛弘高倉 直
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2001 年 39 巻 2 号 p. 75-85

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抄録
本研究では波長1100nmから2500nmにかけての近赤外線のトマト葉面における吸収度を測定することで, 水ストレスが植物の状態に及ぼす変化の非破壊的検出を試みると同時に, ストレス状態での光合成速度と気孔コンダクタンスの経時変化を測定する実験を行った.吸収度は, 微少な変化を捉えるために, 測定の基準を非ストレス状態の葉面に取った.本実験では, 測定対象トマトの個体差や吸収度を測定する葉の位置の影響もあったが, いずれの場合にも近赤外線の吸収度は, 水吸収帯の影響を示し, 初期状態のあとは1600nm近辺の波長で吸収スペクトルに谷が形成され, その深さは時間経過に伴って増大する全体的な傾向を観測することができた.また, 光合成速度や気孔コンダクタンスもそれに対応した一定の変化が見られた.以上の結果から, 水ストレスが植物の状態に及ぼす変化の非破壊的検出が, 近赤外線の吸収度を測定することで可能になることが示唆された.
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© 日本生物環境工学会
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