生物環境調節
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遮光条件下におけるチェリモヤの葉内クロロフィル含量・葉形態・新梢生長・葉のガス交換および果実生産の日本におけるビニルハウス内での反応
樋口 浩和米本 仁巳宇都宮 直樹桜谷 哲夫
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2001 年 39 巻 4 号 p. 255-265

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抄録
チェリモヤ (Annona cherimola Mill.) のハウス栽培では, 夏期の高温が生産性低下の問題となっている.そこで, 遮光によって生産性が高まるかどうか検討するため, ビニルハウス内で栽植していた6年生チェリモヤ品種Big Sisterに, 以下に示す3段階の異なる遮光処理, すなわち軽遮光区として通常のビニルハウス内の条件, ハウスのビニルと寒冷紗を組み合わせた中遮光区, ビニルに2重の寒冷紗をかぶせた重遮光区を設けた.新梢長, 新梢径, 葉数および総葉面積は遮光がきつくなるにしたがい低下したが, 節間長と1葉あたりの葉面積は増加した.葉のクロロフィル含量は重遮光区で増加した.軽遮光区と中遮光区では高い光合成速度と気孔コンダクタンスが観察された.光が強くなると, 葉温が上昇して葉面飽差が増大し, ガス交換速度は低下した.軽遮光区では終日高い光合成速度が観察されたが, 日中の数時間は気孔の閉鎖と水ポテンシャルの低下が見られ, 光合成速度は低下した.中遮光区と重遮光区では果実重と果実品質が低下し, 収穫期が遅れた.ビニルハウスで寒冷紗をかけることによる強い遮光条件はチェリモヤの生産性を低下させることが分かった.50~70%の遮光条件がチェリモヤ栽培にとって好適な光環境であろうと思われた.
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© 日本生物環境工学会
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