生物環境調節
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セル成型苗生産におけるセルの形状が数種野菜苗の生育に及ぼす影響
陳 傑伊東 正篠原 温
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2002 年 40 巻 2 号 p. 157-166

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抄録
セル成型苗生産において, セルの形状がレタス, トマト, キュウリ, スイートコーン苗の生育に及ぼす影響を調査した.セル横断面形状が円形, 五角形, 四角形および三角形で, 等容積の発泡スチロール製セルトレイを自作して実験を行った.レタスとキュウリでは, 円形セルは根鉢形成を促進し, 三角形セルでは根鉢形成が抑制された.円形のセルは, 四角形と五角形のセルに比べて, 根鉢形成前には苗の生育を促進したが, 逆に, 根鉢形成後になると苗の生育が抑制された.三角形のセルでは, いずれの生育段階でも, 苗の生育は抑制された.トマトにおいては, 円形セルの根鉢形成速度が最も速く, 次いで五角形, 四角形, 三角形の順になった.生育は根鉢形成前にはすべての処理区苗で有意差は認められなかったが, 根鉢形成後には, 三角形セル苗で生育の抑制が認められた.スイートコーンでは, セルの形状は苗の根鉢形成および生育に影響を与えなかった.セル成型苗育苗では, レタスとキュウリは苗の生育と生理活性面を考慮すると, 四角または五角形のセルが適当と考えた.これに対して, トマトでは, 三角形のセルを除いた形状のセルが適当と考えた.スイートコーンでは, セルの形状は重要な要因にならないと考えた.
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© 日本生物環境工学会
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