日本看護管理学会誌
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原著
プライマリナーシングおよびモジュール型継続受持方式の運用に関する調査
―首都圏の病院の場合―
野間口 千香穂山本 明美関島 英子佐々木 章江西 恵実松嵜 英士吉田 由美梶山 祥子
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1999 年 3 巻 2 号 p. 39-51

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抄録

プライマリナーシングおよびモジュール型継続受持方式の運用状況を明らかにする目的で調査を行った.先行調査で把握した,首都圏において上記の看護方式を採用している42病院の255病棟の婦長を対象に1996年10月に郵送法による質問紙調査を行った.

プライマリナーシングは37病棟,モジュール型継続受持方式は61病棟の婦長から有効回答を得た.両方式ともに種々の病棟で採用されていた.導入時期はプライマリナーシングは1986年,モジュール型継続受持方式は1995年が最も多かった.プライマリナーシングでは81.0%が他の看護方式を併用していた.そのうちチームナーシングと併用している病棟は46.7%,モジュール型継続受持方式との併用あるいは変更しつつある病棟は46.7%と同じ割合で,合わせると93.4%であった.モジュール型継続受持方式は77.0%の病棟が単独で運用していた.両方式ともに導入に対する反応に関しては,患者,家族,看護婦では70~80%が肯定的であり,医師に関しては約50%が肯定的であるとしていた.運用上の問題点として,プライマリナーシングでは「看護婦の資質・力量の問題」が,モジュール型継続受持方式では「看護婦の資質・力量の問題」と「業務遂行上の問題」が多かった.

いずれも課題を抱えているが,おのおのの病棟で今後も継続していく方向性が確認された.

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© 1999 一般社団法人 日本看護管理学会
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