生物環境調節
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養液栽培における培養液濃度が蔓なしインゲンの生育, 収量, 無機成分含量に及ぼす影響
ヴァルデス マノロ トレド伊東 正篠原 温丸尾 達
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2002 年 40 巻 2 号 p. 167-175

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抄録
培養液濃度が蔓なしインゲン (品種‘トルカット’) の生育, 収量, 無機成分含量, 生理的変化, 水分・養分吸収量に及ぼす影響を調査した.濃度処理は園試処方の1/4, 1/2, 1, 11/2, 2単位と五つの試験区を設けた.開花期と登熟期において生体重, 乾物重, 葉緑素含量, 光合成速度, 蒸散量, 気孔抵抗は培養液濃度の増加とともに増加したが, 蔓の長さは逆に減少した.また, 初期開花期と登熟期における水分および養分吸収量は培養液濃度の増加とともに増加した.培養液濃度の増加とともに葉身, 幼莢のN, P, K含量は増加したが, CaとMg含量は逆に低減した.葉身のN, Ca, Mg含量は幼莢の含量より高かったが, P, K含量は低かった.着莢率は培養液濃度の増加とともにやや高くなった.莢収量は1/4の培養液濃度でもっとも低く, 他の試験区ではあまり変わらなかった.蔓なしインゲンは養液栽培で順調に生育し, 高収量を得るためには1/2濃度が最適であった.
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© 日本生物環境工学会
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