生物環境調節
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培養液の排液率ならびに更新が有機質を培地とした循環式養液栽培キュウリの生育に及ぼす影響
彦坂 晶子北条 雅章丸尾 達篠原 温伊東 正
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2002 年 40 巻 2 号 p. 187-194

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抄録
バークとピートモスを培地としたバッグカルチャーを用い, キュウリ栽培に好適な培養液管理方法について検討した.培養液 (EC2.4dS・m-1) を点滴チューブで灌液し, 循環させた.バッグからの排液率は0, 15, 30%になるよう灌液量を設定し, この3水準に栽培期間中の培養液更新 (0回または2回) の2水準を組み合わせた.主枝の上位葉面積, 葉緑素含量, N含有率および収量は, 排液率15%, 30%区が0%区より優れ, 15%区と30%区に差はなかった.これらの項目に培養液更新の影響は認められなかった.排液率0%区の培地内では培養液が濃縮され, ECが上昇していたことから, 0%区で生育が抑制されたのは浸透ストレスが原因と考えられた.実験終了時の培養液タンク内の培養液組成には, 培養液更新による差はほとんどなかった.培地内に特定の無機成分が蓄積することはなく, NH4-Nを除き期間中に与えた無機成分の20~40%が培養液更新によって廃棄された.以上より, 培地内のEC上昇を防ぐために, 15%以上の排液率が必要であることが示唆された.また, 本実験の範囲内では, 培養液の更新は収量を増加させなかった.
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© 日本生物環境工学会
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