生物環境調節
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低窒素肥料に対するイネの成長反応の品種間差異
アミン S.M.ロルル内田 直次畠中 知子東 哲司安田 武司津川 兵衛
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2002 年 40 巻 2 号 p. 195-200

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抄録
イネを持続的に生産し, かつ環境汚染を防ぐためには, 窒素肥料を適切で効果的に利用することが重要である.本研究では, 水耕による急激な窒素欠乏処理と土耕による低窒素供給処理を行い, これらの低窒素処理に対するインド型の改良3品種と在来5品種の成長反応の差異を調べた.解析には, 相対成長率や純同化率などの基本的な成長関数に加えて, 窒素利用率 (単位体内窒素増加量当りの乾物増加量) も適用した.相対成長率は概して改良品種より在来品種で高く, 在来品種のPokkaliが最も高い値を示した.この相対成長率は純同化率と有意に高い正の相関関係を示したが, 比葉面積および葉重比との間には有意な相関がみられなかった.窒素利用率は各々の低窒素処理下で相対成長率および純同化率と高い正の相関関係を示した.以上のことから, 低窒素条件の場合に, 在来品種の成長が改良品種のそれよりも良好であるのは純同化率と窒素利用率が高いためと考えられた.
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© 日本生物環境工学会
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