生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
カイコのγ線誘発体細胞突然変異頻度におよぼす環境の影響
中島 誠都田 達也平松 芳子
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 8 巻 1 号 p. 34-38

詳細
抄録
γ線照射によってヘテロ黒縞蚕に誘発される白斑の出現頻度におよぼす照射後の可視光照射, 温度処理ならびに内分泌器官移植の影響を検討し次の結果を得た.
1.γ線照射後可視光 (500lux) を17~23時間照射することによって, 白斑の出現頻度は減少した.減少の程度は母体とする品種によって異なり, 最大で約50%, 最小で約10%の“光回復”が認められた.
2.第3令24時間後に照射を行ない, 以後第3~4令を連続して高温 (25~30℃) で飼育した場合の白斑出現頻度は高く, 第3令または第4令いずれかを低温 (16℃) で飼育した場合は著しく低下した.
3.第3令脱皮直後に, 脳, アラタ体, 食道下神経球または前胸腺を移植して照射した場合には, 前胸腺移植の場合のみ白斑出現頻度の低下がみられた.
最後に, この研究は文部省科学研究費によるものであることを記し深甚の謝意を表します.
著者関連情報
© 日本生物環境工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top