抄録
森林を流れる2次河川,柳瀬川の270m区間を対象に落葉堆積分布量の調査と河川物理量の測定を行った.河川物理量は堆積落葉採取地点の水深と流速,瀬の礫の礫高,礫幅,礫間距離を測定した.結果を用いて落葉堆積量と河川物理量との相関を比較し落葉堆積機構に関する検証を行った.瀬における落葉堆積は礫による捕捉効果とそれらの配置が重要であった.淵の落葉堆積は高流量時に瀬に堆積した落葉が再輸送され,十分のスペースがある淵に定着することによって起こると考えられた.蛇行点における落葉堆積は,そこで発生する2次流によって蛇行点の外側から内側へ輸送され,河床へ定着すると考えられた.倒木による落葉堆積は,倒木によって形成されるダムの数が重要で,それらには地域性がある.