応用生態工学
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事例研究
三春ダムにおける付着藻類の剥離に効果的なフラッシュ放流のタイミングの検討事例
浅見 和弘影山 奈美子山内 尚也米内 祐史沖津 二朗小山 幸男
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2017 年 19 巻 2 号 p. 203-210

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抄録
三春ダムでは,河床礫に付着した古い付着藻類を定期的に更新することなどを目的に,2000 年から 10~20 m3/s のフラッシュ放流を実施している.本事例研究では,ダム下流河川の平瀬のデータから付着藻類の剥離に効果的なフラッシュ放流のタイミングを検討した. フラッシュ放流の付着藻類量に対する効果は,直前の付着藻類量によって異なり,クロロフィル a 量が15 μg/cm2 以上だった場合には効果があると考えられた.クロロフィル a 量が 15 μg/cm2 以上だったのは,10 m3/s 以上の出水が 7 日間以上無かった場合だった.したがって,フラッシュ放流予定日前の 7 日間の流況が安定している場合には,付着藻類量が多くなり,フラッシュ放流による剥離効果が大きいと考えられた.
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© 2017 応用生態工学会
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