応用生態工学
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事例研究
北上川水系中津川における低水護岸が魚類の生息に与える影響
辻 盛生加藤 渓鈴木 正貴
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2017 年 19 巻 2 号 p. 245-257

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抄録
河川の低水護岸に際し,自然素材を用いた護岸構造物が用いられることが多い.ここでは,同一河川において 6 種の低水護岸および 1 種の植物からなる水際部における魚類の生息状況について,2012年の 5 月,7月,10 月において調査した.その結果,植物を伴い,流速の緩やかな浅水域を持つ調査区において通年で採捕尾数,種数共に多くなった.遊泳魚は 5 月には植生河岸に多く, 7 月,10 月には水深のある水域に進出が見られるものの, 10 月においては流速や水深に変化のある調査区に偏在する傾向が見られた.また,遊泳魚の小型個体は,抽水植物の生育する水際にのみに出現した.このことから,遊泳魚が生活史を全うするために,稚魚の成長および成魚の低水温季の生息のための抽水植物が生育する水際と,成魚が生息する多様な水深・流速環境を持つ水域が必要といえる.一方,カジカを主とする底生魚は,護岸構造よりも浮き石構造を持つ河床形態に依存する可能性が示唆された.したがって,自然素材を用いた低水護岸であっても,河道が直線化され,流れや河床構造が単調になることによって,遊泳魚,底生魚共にハビタットを劣化させてしまう可能性が示唆された.
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© 2017 応用生態工学会
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