応用生態工学
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原著論文
環境 DNA を用いた山口県内 2 級河川におけるヌートリアの侵入状況と生息適地の把握
赤松 良久後藤 益滋乾 隆帝山中 裕樹小室 隆河野 誉仁
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2018 年 21 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

ヌートリアは,西日本の本州・四国に定着した特定外来生物に指定されている哺乳類であり,生態系保全・河川管理の両面から,効率的に侵入を防止し,防除方法を確立することが望まれている.そのためには,簡易かつ有効的な侵入モニタリング方法の確立,さらには,好適な生息環境を明らかにする必要がある.そこで,本研究では,環境 DNA 分析を用いることにより,山口県広域における分布状況を明らかにし,さらに,GIS を用いてヌートリアの生息適地を明らかにするとともに,分布予測モデルを用いた潜在的生息地の推定をおこなった.その結果,山口県においては,既に県内の広域にヌートリアの分布が拡大していること,そして,流域特性に関係なく,県内の河川の中下流域で侵入・定着のリスクあることが示された.

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© 2018 応用生態工学会
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