応用生態工学
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事例研究
琵琶湖流入河川におけるアユ産卵場表面の粒径分布
水野 敏明東 善広北井 剛
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2020 年 22 巻 2 号 p. 149-154

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抄録

本報告は,琵琶湖に流入する 10 河川における,アユの産卵適地とされる場の河床礫組成の特徴を記述することを目的とした.2014 年の 9 月 14-16 日の期間に,各河川において,河口から 1 つ目の堰周辺の砂州の瀬頭もしくは瀬尻の浮石帯を産卵適地とみなし,線格子法により河床表面の礫を採取し礫径を計測した.その結果,各河川における礫径の平均値は 5.2-28.4 mm,中央値は 4.8-28.1 mm,であり,32 mm 未満の粒径の占める割合は 57-100%であった.この結果は,アユの産卵環境に関する既存の報告と概ね一致していた.ただし,湖東の河川の粒径分布は,既存の報告によりアユが選好するとされる粒径よりも大きめの礫に偏る傾向を示した.このことは,近年,それらの河川で指摘されているアユの産卵環境の悪化と関連するかもしれないと思われた.今後,上流からの土砂供給動向など,産卵環境の形跡機構についてより詳細に検討する必要がある.

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© 2020 応用生態工学会
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