応用生態工学
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日本における遊水地の分布と立地特性
諏訪 夢人西廣 淳
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2020 年 23 巻 1 号 p. 85-97

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抄録

日本全国の遊水地の面積,位置情報,利活用等について文献及び web 調査より把握し,143 施設の情報を含む遊水地のデータベース化を試みた.さらに作成したデータベースを活用し,遊水地の立地特性が従来の湿地環境を保全する場として機能しうるか検討した.最も遊水地の多い都道府県は埼玉県で,37 施設が確認された.立地特性では,氾濫原に含まれる氾濫平野,旧河道,後背湿地に多くの遊水地が整備されていることが明らかとなった.遊水地内の土地利用については,都市公園型 64 施設,運動場型 44 施設,観察地型 31 施設,水田 17 施設,その他(水面や草地)91 施設が確認された.施設内に観察地,水田,その他が存在する遊水地が88%あり,これらの遊水地では湿地機能が一部でも残存する可能性が考えられた.

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© 2020 応用生態工学会
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