持続可能な開発は,地球環境問題の解決とグローバルな経済格差の解消という世代間倫理と世代内倫理の複合的問題に対処するための社会目標として登場した。人類の人口がピークアウトし,定常化が実現できたとすれば,人間活動による地球環境への負荷は軽減され,「将来世代が自らのニーズを満たす能力を損なうことなく,現在世代のニーズを満たす」という目標が達成できることになるかもしれない。しかし,今度は人口減少そのものが開発を阻害する制約となり,社会は別の観点で開発を必要とするかもしれない。その意味で持続可能な開発は今後も息の長い社会目標であり続ける可能性があることを本稿は論じる。