2022 年 51 巻 4 号 p. 33-37
里山・里海を対象としたOECM の検討には,保全すべき場所を指定するだけでなく,その場所に根付いた持続的かつ包括的な自然資源の利用や管理が求められる。また,生物文化多様性の保全という観点から地域を一体でとらえた法制度の指定は少なく,日本各地の生物文化多様性を継承し,活用していくという視点が不可欠になる。里山・里海の自然や文化に即した伝統知・地域知を顕在化し,普遍性と固有性を見極めながら課題解決につなげていくことが重要となる。こうしたプロセスを経ながら里山・里海をOECM に位置づけることは,生物文化多様性の保全の意義やそのための具体的な道筋を認識,共有する契機となると考えられる。