環境情報科学
Online ISSN : 2435-4295
Print ISSN : 0389-6633
研究論文
生態系を活用した防災・減災の推進に向けた水災保険制度の貢献可能性
西田 貴明吉田 丈人
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 52 巻 2 号 p. 78-87

詳細
抄録

将来の激甚化が予測される水災に対して,水災保険制度によるリスクコントロール(リスク回避・リスク低減)へのインセンティブの発揮,及び生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の推進の可能性について,日本と諸外国の保険制度を比較検討した。その結果,日本の水災保険制度はリスクコントロールのインセンティブには期待できず,災害被害の補償に主眼が置かれていた。将来の水災に対して,他国で実施されているように自治体による土地利用規制や防災・減災対策を保険制度と連携させることがリスクコントロールに重要であり,適切なリスク回避とリスク低減を介してEco-DRR の実現に保険制度が貢献することが期待される。 キーワード:

著者関連情報
© 2023 一般社団法人環境情報科学センター
前の記事 次の記事
feedback
Top