抄録
現在の緩和策も適応策も,気候変動に対し,より強靭で未来可能な社会はどうあるべきかという論考ぬきに,それぞれに設定した目標だけを見てなされている。社会のあり方のより統合的な変革の実現は,生物圏を人類社会が大きく依拠してきた生存基盤であり気候と密接に相互作用する気候・生物圏共生系として扱い,その系と調和した地球社会,地域社会を創出できるかにかかっている。そのための具体策として,大都市とその周辺の農山漁村域をつなぐ地産地消型の地域流通圏を基本とした地域循環共生圏の形成と,それらのネクサス的連携の構造を発展させることが重要であろう。