栄養学雑誌
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小・中学生の食生活への意識と食習慣との関係
祓川 摩有佐野 美智代大橋 英里田辺 里枝子五関-曽根 正江
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2011 年 69 巻 2 号 p. 90-97

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抄録

【目的】児童生徒における健全な食生活や食習慣は,心身の発達に重要であるばかりでなく,成人後の健康にも大きく影響する。そこで本研究では,対象者の実態把握を目的とし,特に健康と食生活への意識に着目し,小・中学生の食生活への意識と食習慣との関係について検討した。
【方法】埼玉県H市内の小学5年生(計6校)および中学2年生(計6校)を対象に,2009年7月に質問紙調査(自記式)を実施し,小学生433名,中学生442名を解析対象とした。「自分の健康と食生活を意識している」と回答した「意識あり」群と意識していないと回答した「意識なし」群に分けて,男女別に小・中学生でそれぞれ比較した。
【結果】小・中学生では,男女とも「意識あり」群が「意識なし」群に比べ,朝食欠食率が低く,主食とおかず・汁ものが揃った朝食を摂取している者の割合が高かった。また,「おやつは時間や量を決めて食べている」と回答した者が「意識あり」群で多かった。さらに,小学生の女子では,「意識あり」群が,「給食を残さず食べる」や「食事の準備・片づけを手伝う」と回答した者が有意に多く,朝食を「ひとりきり」で食べていると回答した者の割合は低かった。
【結論】小・中学生において,自分の健康と食生活を意識している者では,朝食や間食,給食の摂取状況など望ましい食習慣を実践しており,「健康と食生活への意識」が,健全な食習慣につながることが示唆された。

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© 2011 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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