【目的】秤量法による食事記録から調査した総エネルギー摂取量(TEI)を二重標識水法により測定した総エネルギー消費量(TEE)と比較することにより,TEIの推定精度を検討した。
【方法】20~69歳の48名(男性24名,女性24名)を解析対象とした。TEIは,秤量法による食事記録と同時に撮影したデジタルカメラによる映像から計算した。体重補正済TEE(cTEE)は,二重標識水法により2週間の平均として求めたTEEと調査期間中の体重変動から計算した。
【結果】TEEとTEIは,男性では 2,819±620 kcal/day,2,308±466 kcal/dayで女性では 2,045±501 kcal/day,1,823±414 kcal/dayであった。男性では,TEIは有意に過小評価されたが(-15.5±21.5%),女性でのTEIは有意な過小評価はみられなかった。TEIの評価にはTEIの大小による系統誤差は見られなかった。Intraclass correlation coefficient(0.344:95%信頼限界 0.063~0.574),Spearmanの順位相関(0.460,
p=0.001)は中程度から弱いであった。TEIの推定精度には,男性では記録した食品数,食事回数3日間合計,女性では年齢が影響していた。
【結論】今後さらに,調査方法や対象ごとのTEIの推定精度の程度を明らかにすること,食品群別や栄養素別の摂取量の推定精度を明確にしていくことが必要であると考えた。
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