【目的】高校生を対象に,生活習慣病予防の視点を取り入れた食育講座を実践し,その授業内容と実施可能性について検討すること。
【方法】2013年10月から11月,大学と大阪府が協働して,大阪府内の高校生74名を対象に,食育講座「野菜たっぷりみそ汁を作ろう」を実施した。1回目授業(講義100分)では,みそ汁に野菜を入れることによる減塩効果を知り,献立を作成してNa/K比を算出,2回目授業(実習100分)では,各班(各校3~5人の6班編成)のみそ汁を試作,試食して比較評価を行った。2回の授業を受け,実習後調査,実践状況調査に回答した69名(男子21名,女子48名)を対象に,授業で使用したワークシートへの自由記述内容と2つの調査から食育講座の授業内容と実施可能性を検討した。
【結果】野菜たっぷりみそ汁の評価,知識の習得状況は良好で,ワークシートにはみそ汁の具や味に関する多くの気づきがみられた。みそ汁で十分な野菜が食べられること,また野菜の味が出ておいしいことを生徒が体験し,現時点で,将来,一人暮らしになった時,家庭を持った時に作りたいと意欲を示した。実習後2~3か月の間に野菜たっぷりみそ汁を56.5%の生徒が食べ,21.7%の生徒が作った。
【結論】食育講座を通して,みそ汁で十分な野菜が食べられること,また野菜の味が出ておいしいことを高校生が体験し,実践につながる可能性が示唆された。