栄養学雑誌
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飲食店経営者の「健康日本21」の認知度と目標「適切な量と質の食事をとる者の増加」に関する取組の実施状況
赤松 利恵
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キーワード: 飲食店, 健康日本21, 食環境
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2022 年 80 巻 3 号 p. 185-193

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抄録

【目的】飲食店と連携した食環境整備の推進を目指し,飲食店経営者を対象に,健康日本21の認知度および活用,目標「適切な量と質の食事をとる者の増加」に関する取組の実施状況を検討した。

【方法】2019年5月インターネット調査会社のモニターである飲食店経営者412人を対象に,健康日本21の認知度および活用,健康日本21(第二次)の「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をとる者の増加」「食塩摂取量の減少」「野菜と果物の摂取量の増加」の目標の取組の実施状況を調べた。実施状況は得点化し,Mann–WhitneyのU検定,Kruskal-Wallis検定を用い,対象者,店舗の属性,「健康日本21の認知度と活用」の回答で,得点を比較した。

【結果】ハレの日の食事としての利用が多い店舗経営者25人を除いた387人(解析対象率93.9%)を対象とした。61.2%(237人)が健康日本21を「聞いたことがない」と回答し,これらの者の取組の実施状況の得点は低かった(p<0.001)。また,ファストフード店や小規模企業者の得点も低かった(各々p=0.002,p=0.007)。

【結論】飲食店経営者の「健康日本21」の認知度は低く,認知度が低い飲食店経営者の店舗では,健康日本21(第二次)の目標に関する取組の実施も低かった。「健康日本21」の認知度を高め,外食産業と協働して進めていく方法の検討が必要である。

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© 2022 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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