栄養学雑誌
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スマートミールの基準からみた秋田県内スーパーマーケットの弁当の栄養評価
千田 茉登佳田中 景子佐藤 実
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2023 年 81 巻 2 号 p. 75-83

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抄録

【目的】生活習慣病予防と食環境改善研究へ貢献する目的で秋田県内のスーパーマーケットで販売されている弁当について「健康な食事(スマートミール)」の6項目の基準から栄養評価を行った。

【方法】弁当を食材別に秤量して栄養計算を行い,スマートミールの2段階の基準(「650 kcal未満」,「650 kcal以上」)に分けて6項目について,基準値との比較,魚弁当(n=11)と肉弁当(n=14)の間での比較を統計解析により検討した。

【結果】調べた25個の弁当は「650 kcal未満」,「650 kcal以上」に10個(40%)ずつ,上限値 850 kcal以上に5個(20%)あった。基準6項目全てを満たす弁当はなく,5項目と4項目を満たすものでも11個(44%)に留まった。PFC%エネルギーの3項目全てを満たす弁当は44%,食塩相当量が過剰のものは40%,野菜等重量不足は全てでみられた。肉弁当と魚弁当との間でエネルギー量に有意な差はなかった(p=0.071)が,脂質%エネルギーは魚弁当よりも肉弁当で有意に高かった(p=0.011)。さらに,肉弁当は野菜等重量できのこや海藻と同様に魚弁当より少なかった(p=0.018)。

【結論】本研究で調べたスーパーの弁当のうちスマートミールの基準全てを満たすものはなく,全てで野菜等重量不足,PFC%エネルギー非充足弁当が約半分,食塩相当量過剰なものが40%と栄養バランスに課題のあるものが多くみられた。

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© 2023 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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