抄録
蔗糖を糖質源として白ネズミを飼育し, これにソルビトールを添加した場合の盲腸内B2量と細菌叢との関係, 殊に大腸菌数との関係を考究し, 若干の知見を得た。
1) 盲腸内B2含量はB2投与群, 不足群いずれもソルビトール添加群, デキストリン群が蔗糖群より非常に高かつた。
2) 盲腸内総生菌数に著しい差はないが, 大腸菌数は蔗糖群にもつとも多く, ソルビトール添加群はもつとも少なく, デキストリン群はこの中間の値を示した。
3) これらの結果から, B2合成の盛んな腸内では大腸菌数が少なく, B2合成の少ない腸内では大腸菌数が多いということが認められた。