栄養学雑誌
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ラットにおけるスピルリナの慢性毒性試験
吉野 芳夫平井 幸彦高橋 弘山本 正雅山崎 法子
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1980 年 38 巻 4 号 p. 221-225

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抄録

旭カーボン株式会社の人工培養池によって製造されたスビルリナ製品について, ウィスター系雌雄ラットを用いて6月間の慢性毒性試験をおこなった。固型飼料を給与した対照区と, それにスピルリナ乾燥藻体 (試料) を20%混合した飼料を給与した試験区とを比較検討するために, 外見的所見, 体重増加量, 血液所見22項目 (ヘマトクリット, ヘモグロビン濃度, 平均赤血球血色素濃度, 尿素窒素, 血清総たん白, A/G比, 尿酸, クレアチニン, 総脂質, 中性脂肪, リン脂質, 総コレステロール, 総ビリルビン, カルシウム, 無機リン, 鉄及び総鉄結合能, アルカリ性ホスファターゼ活性, ロイシンアミノペプチダーゼ活性, 乳酸脱水素酵素活性, 血清トランスアミナーゼ (SGOT及びSGPT) を測定するとともに, 主要臓器の重量, 外見的所見 (脳, 心臓, 胃, 肝臓, 脾臓, 腎臓, 睾丸または卵巣, 下垂体及び副腎) 及び病理組織学的検索 (心臓, 胃, 肝臓, 脾臓, 腎臓, 睾丸または卵巣) を実施したが, 雌雄ともに試験区, 対照区ともに異常と考えられる差異を認めなかった。したがってこの飼育試験において, 本試料からは慢性毒性因子を検出しないものと判断された。

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