栄養学雑誌
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食生活と食品イメージの考察
関 千代子君羅 満岩瀬 靖彦高野 美幸高橋 重麿赤羽 正之
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1984 年 42 巻 6 号 p. 329-338

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抄録

都内女子大学生の父兄を対象に, SD法 (Semantic Differential Method) による47食品のイメージを調査し, 以下の結果を得た。
1) 食料消費において, 増加傾向にある食品のグループは,“洋風”,“モダン”,“手軽”のイメージをもつ食品が多く, 減少にある食品のグループは,“和風”,“洋風”,“老人向”,“手軽”(前者に比較するとイメージが弱い) のイメージをもつ食品が多かった。
2) 主成分分析の結果, SD法の7つの尺度“洋風―和風”,“行事的―日常的”,“モダン―古風”,“若者向―老人向”,“ぜいたく―質素”,“手軽―めんどう”,“好き―嫌い”のうち第1主成分では,“モダン―古風”,“洋風―和風”,“若者向―老人向”の寄与率が高い。これら3尺度を総括して“洋風―和風”の成分と読むことができる。第2主成分では,“手軽―めんどう”,“行事的―日常的”の寄与率が高い。
3) 主成分のスコアより, 食品を2次元に布置すると5つのグループが形成され, その中の洋風のイメージをもつグループは, 食料消費において増加傾向を示すものが多かった。このことは, 食生活の洋風化を示すものといえよう。

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