栄養学雑誌
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母親からみた園児の健康と朝食・間食とのかかわり
中川 美子
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キーワード: 食生活, 健康, 園児, 朝食, 間食
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1991 年 49 巻 2 号 p. 81-90

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抄録

1988年9月に, 504人の幼稚園児・保育園児を対象とし, 母親へのアンケート調査を行い, 食生活 (主として朝食及び間食) と健康との関連について検討した。結果は以下のとおりである。
1) 園児の健康状態を点数化し, A群 (愁訴の割合が低い群), B群 (ふつう), C群 (愁訴の割合が高い群) の3群に分類した。園児全体では,“いらいらしやすい”(16.9%) に次いで,“食欲がない”(14.9%) に訴えが多かった。
2) 朝食の摂取の仕方, ジュースなどの飲み物やチョコレートなどの甘い菓子, 緑黄色野菜の摂取頻度について, 健康得点群間に有意差が認められた。
3) 朝食の時刻, 食事中のテレビ視聴 (夕食時), 食事前後の手伝い, 間食の与え方について, 健康得点群間に有意差が認められた。
4) 朝食の摂取食品数は, 主食パターン別では, 米飯食が最も多く, パン食, その他の順であった。
5) C群の朝食の摂取食品数は, どの主食パターンにおいても, A, B群に比べ少なかった。
6) 朝食の基礎食品群別の摂取状況は, どの主食パターンにおいても, 3群 (緑黄色野菜) の摂取が少なく, 特にパン食のC群においてはわずか2.5%であった。またC群は, 1群 (魚・肉・卵・大豆) を摂取していた割合もA, B群に比べ少なかった。
7) 米飯食は, 1群, 3群, 4群 (その他の野菜・果物・きのこ) の摂取頻度がパン食, その他に比べ高く, パン食は6群 (油脂) の摂取頻度が米飯食, その他に比べ高かった。
8) 朝食の内容について, 主食と副食をともに摂取していた園児の割合をみると, 米飯食では76.8%であったが, パン食では51.4%であった。

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