栄養学雑誌
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49 巻, 2 号
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  • 吉村 学, 高橋 伯夫, 中西 正
    1991 年 49 巻 2 号 p. 53-62
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 三田 禮造, 苫米地 孝之助, 山口 功, 添野 尚子, 小林 修平, 西牟田 守, 清水 盈行, 大木 和子, 栗原 和美
    1991 年 49 巻 2 号 p. 63-74
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    女子大生12人を10日間宿泊させ, その間同一の食事を給与しながら, 連続3日 (第1班は前半3日間, 第2班は後半3日間), 寒冷暴露, 暗黒椅座, 連続計算の3種類のストレスを負荷し, 身体計測, 血圧, 体温, 自覚症状, 尿中カテコールアミン排泄量等を調査した。その結果は次のとおりである。
    1) 朝の収縮期血圧及び体温はストレス負荷日に相当して上昇する傾向がみられた。
    2) 疲労検査に使われる30項目の自覚症状調べでは, 夜の自覚症状がストレス負荷日に一致して増加傾向を示した。
    3) 自覚症状のうち, ストレス負荷と有意の相関を示す17項目を選んで調べたところ, 後半負荷群に有意差がみられ, 30項目よりもストレスの影響を明確に表すことができた。
    4) ストレスの種類別の自覚症状の日内変化では, 対照日に比べ, 連続計算で有意の増加が, 寒冷暴露でも増加傾向が現れたが, 暗黒椅座ではむしろ自覚症状は減少した。
    5) 尿中カテコールアミンの排泄量はストレス負荷日に相当して増加傾向にあったが, 特に後半負荷群で有意差が認められた。
    6) ストレスの種類別のカテコールアミンの日内変動は, 連続計算でノルアドレナリン及びアドレナリンが, 寒冷暴露でアドレナリンが有意に増加したが, 暗黒椅座ではほとんど変化は認められなかった。
    7) 被験者自身の感じた主観的負荷度では, 暗黒椅座が最も負担を感じ, 連続計算がこれに次いだが, 自覚症状や尿中カテコールアミン排泄量からみるとストレスの強さは, 連続計算, 寒冷暴露, 暗黒椅座の順に大きかったと考えられる。
    8) 血液検査では赤血球数, 白血球数, ヘマトクリット値の3項目でストレス負荷による増加傾向が認められた。
    9) 体重は, 被験者の1人を除き給与した食事がすべてエネルギー所要量を上回っているにもかかわらず, むしろ減少傾向が認められた。
    以上の結果から, 血圧, 体温, 自覚症状, 尿中カテコールアミンは, ストレス負荷の程度を知る上で重要な指標となり得ることを示唆するものと考えられた。
  • 惟村 直公, 長谷川 忠男, 鈴木 隆雄
    1991 年 49 巻 2 号 p. 75-79
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    dl-α-Tocopheryl acrylate 及び dl-α-Tocopheryl crotonate の生理活性を検討した。実験は, 赤血球のジアルル酸による溶血率100%の雄ラットを用い, 誘導体投与後48時間経過した溶血率, 誘導体の144時間にわたる溶血抑制に対する持続力, 更に, 組織中の Tocopherol 分布について行い, 次の結果を得た。
    1) 投与後48時間経過した赤血球の溶血率は, dl-α-Tocopheryl acrylate 投与群で95.2%, dl-α-Toocopheryl crotonate 投与群で96.2%と, ほとんど溶血を抑制しなかった。
    2) 赤血球の溶血抑制の持続力は, 対照の dl-α-Tocopheryl acetate 投与群で赤血球の溶血抑制率0%になるまで約120時間を要した。これに対し, dl-α-Tocopheryl acrylate 投与群, dl-α-Tocopheryl crotonate 投与群の各群とも, 投与後6時間でそれぞれ最大32.0%, 25.7%の赤血球の溶血抑制率を示し, 約24時間後には0%となった。
    3) 組織中の Tocopherol 量は, 赤血球の溶血率の結果を反映しており, 2種類の誘導体投与群とも, 肝臓, 腎臓, 血清で低値を示した。しかし, Tocopheryl acrylate 投与群の睾丸中 Tocopherol 量については, 対照の Tocopheryl acetate 投与群との有意差が認められず類似した値を示した。
    以上の結果から, dl-α-Tocopheryl acrylate, dl-α-Tocopheryl crotonate の各誘導体とも, 生体内で加水分解作用を受けにくい化合物であることが示唆された。しかし, Tocopheryl acrylate 投与群の睾丸中 Tocopherol 量については, Tocopheryl acetate 投与群と類似した値を示したことから, その吸収形態については, 更に検討を要する。
  • 中川 美子
    1991 年 49 巻 2 号 p. 81-90
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1988年9月に, 504人の幼稚園児・保育園児を対象とし, 母親へのアンケート調査を行い, 食生活 (主として朝食及び間食) と健康との関連について検討した。結果は以下のとおりである。
    1) 園児の健康状態を点数化し, A群 (愁訴の割合が低い群), B群 (ふつう), C群 (愁訴の割合が高い群) の3群に分類した。園児全体では,“いらいらしやすい”(16.9%) に次いで,“食欲がない”(14.9%) に訴えが多かった。
    2) 朝食の摂取の仕方, ジュースなどの飲み物やチョコレートなどの甘い菓子, 緑黄色野菜の摂取頻度について, 健康得点群間に有意差が認められた。
    3) 朝食の時刻, 食事中のテレビ視聴 (夕食時), 食事前後の手伝い, 間食の与え方について, 健康得点群間に有意差が認められた。
    4) 朝食の摂取食品数は, 主食パターン別では, 米飯食が最も多く, パン食, その他の順であった。
    5) C群の朝食の摂取食品数は, どの主食パターンにおいても, A, B群に比べ少なかった。
    6) 朝食の基礎食品群別の摂取状況は, どの主食パターンにおいても, 3群 (緑黄色野菜) の摂取が少なく, 特にパン食のC群においてはわずか2.5%であった。またC群は, 1群 (魚・肉・卵・大豆) を摂取していた割合もA, B群に比べ少なかった。
    7) 米飯食は, 1群, 3群, 4群 (その他の野菜・果物・きのこ) の摂取頻度がパン食, その他に比べ高く, パン食は6群 (油脂) の摂取頻度が米飯食, その他に比べ高かった。
    8) 朝食の内容について, 主食と副食をともに摂取していた園児の割合をみると, 米飯食では76.8%であったが, パン食では51.4%であった。
  • 高木 恵子, 戸田 ゆり子
    1991 年 49 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    婦人の自覚症状訴え率と, 年齢, 職業, 間食の頻度, コーヒーの摂取量, 加工食品・調理済み食品の利用頻度, 外食の回数, 食生活の改善, 食物摂取得点の8要因25カテゴリーとの関連について, 林の数量化理論I類により, 多変量解析を行い, 次のような結果を得た。
    1) 自覚症状訴え率との関連性の強い要因は, 間食の頻度, 加工食品・調理済み食品の利用頻度, 食生活の改善などである。
    2) 自覚症状訴え率を高めるカテゴリーは, 間食を毎日する, 食物摂取得点が低い, 家で内職・アルバイトをする, 加工食品・調理済み食品を普通程度に利用するなどである。
    3) 自覚症状訴え率を低めるカテゴリーは, 年齢50歳以上, 加工食品・調理済み食品の利用頻度が少ない, 食生活は今のままでよいなどである。
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