栄養学雑誌
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高校生の排便頻度と食生活に関する意識調査
南 夏代平井 和子武副 礼子岡本 佳子
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1991 年 49 巻 6 号 p. 307-314

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抄録

大阪府下の高校1年生 (男子399人, 女子509人) を対象に, 排便回数及び食生活や食物摂取量に関する意識についてアンケート調査を行った。なお, 排便回数が週に3回以下のものを“便秘傾向”とみなして集計した。
1) 毎日排便のある割合は, 男子 (54%) よりも女子 (27%) のほうが低く, 排便回数が3回以下の“便秘傾向”の割合は男子 (16%) より女子 (19%) が高かった。また“不規則”と答えた割合も男子 (11%) より女子 (23%) が高く, 排便回数に性差がみられた (p<0.001)。男子の68%, 女子の83%が“便秘と健康は関連性がある”と答え, 排便は“毎日するもの”と答えた生徒は男子68%, 女子60%であった。特に, 排便が“不規則”と答えた生徒の場合に排便への認識が低かった (男女ともに, p<0.001)。排便時刻は,“起床~朝食直後”が最も多く, 排便回数が“不規則”と答えた生徒では, 排便時刻も“不規則”と答えた割合が高かった (男女ともに, p<0.001)。
2) 健康を保つのに適した食生活を,“している”あるいは“だいたいしている”と答えた生徒は男子55%, 女子61%であった。望ましい1日の摂取食品量を,“知っている”あるいは“だいたい知っている”と答えた生徒は, 男子26%, 女子27%であった。女子では両認識と排便回数との間に関連性がみられた (各々, p<0.001, p<0.05)。
3) 食品群別摂取量への意識は, 男子では“多量”と“わからない”が多く, 女子では“普通量”が多く, 性差がみられた (p<0.05)。食品群別摂取量への意識と排便回数との関連性は, 女子よりも男子に高くみられ, 排便が“便秘傾向”の男子では, 穀類・いも類・野菜類の摂取量が“わからない”が多く, 女子では野菜類・乳類の摂取量が“少量”と答えた割合が高かった。

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