抄録
子どもの食事内容と生活行動との関連性を探る目的で, 浜松市内の小学生 1,696人を対象に, 1992年7月, 食品摂取状況と生活習慣に関するアンケート調査を実施し, 以下の結果を得た。
1) 12の生活行動要因のうち, 学年別では10項目で, 男女別では6項目で有意差が認められた。
2) 高学年ほど, また女子ほど多項目の生活行動要因が食品の摂取頻度に影響を及ぼしていた。
3) 栄養バランス得点に関連の大きい要因は, 3・4年生では“給食の掲示物”,“給食資料についての家族との会話”,“家での食事の楽しさ”,“食事中の注意”,5・6年生では“朝食の喫食度”,“家の食事の楽しさ”,“テレビの視聴時間”,“就寝時刻”などであった。
4) 給食の掲示物をよく見る, 給食資料について会話をよくする, 家の食事が楽しい, 食事中に注意されることがあまりない, 朝食を毎朝食べる, テレビの視聴時間が30分以内, 就寝時刻が8時半頃の各カテゴリーは栄養バランスを高めるほうへ寄与していた。
5) 家の中での過ごし方をみると, 栄養バランスが高い群では本を読む, 勉強をする, 家の手伝いをする割合が高く, 得点が低い群では漫画, テレビゲーム, テレビで遊ぶ割合が高くなっていた。
6) 食品のテレビコマーシャルをおもしろいと見ている子どもは, インスタント食品の摂取頻度が高くなっていた。また, テレビを見ない子どもは, インスタント食品をほとんど食べない割合が目立って多くなっていた。