栄養学雑誌
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透析患者に対する低リン食及びカルシウム添加食の効用
北野 智賀子佐藤 由佳近松 香里幾高 敏晴後藤 尚己石黒 源之平野 高弘
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1995 年 53 巻 4 号 p. 281-286

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抄録

維持透析患者5例に対し, 1日600mg以下の低リン食及び低リン食に1日600mgになるようにカルシウムを添加した食事を施行し, 食事のみで血清リン値をコントロールできるかを検討した。その結果, 低リン食開始後血清リン値はなだらかな低下傾向を示した。更に, 低リン食にカルシウムを添加した食事を施行することにより, 血清リン値は食事療法施行前と比較して有意に低下した。また, 血清カルシウム値は食事療法施行前後で有意差を認めなかった。
低リン食を行うことで血清リン値は減少するが, カルシウムを食事中に添加することにより, 血清リン値を更に低下させる可能性がある。従って, 低リン食を行う時には, 食事中のカルシウム含量にも考慮する必要性があることが示唆された。

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