1962~1992年度の給食管理実習における献立と調理法及び食品の購入価格について調査検討し, 次の結果を得た。
1) 主食の様式はいずれの年度も米飯を主とする和風が多く, 特に1982年度以降は71~85%に達した。内訳は, 白飯と変わりご飯が最も多かった。
2) 主菜の様式は, 1972年度以降では和風よりも洋風が多かった。主菜の調理形態は, 揚げ物と焼き物で57~80%を占めていた。また, 1980年度以降は, 豆腐やおからを挽肉に混合した和風ハンバーグや鶏肉のみそ焼きなど和風形態の焼き物が出現し, 動物性脂肪の摂取を抑制した食生活が認められた。
3) 副菜の様式では, 和風が52~89%と多かった。調理形態は和え物が8~67%, 煮物が4~29%であった。
4) 漬物はほとんどが, はくさい, キャベツ, きゅうりなどの即席漬であったが, 摂取頻度は経年的に減少し, 1986年度以降は5%以下となり, 減塩を意識した食生活が認められた。
5) 本学における実習の献立は, 和・洋・中華の混合型が多く, この形態は栄養面や価格面などの視点からは合理的な献立であることが示唆された。
6) 汁物は1978年度以降, みそ汁が33%以下に減少し, すまし汁とコンソメスープが増加した。
7) デザートは経年的に著しく増加し, その調理形態も生鮮果実類をそのまま切断したものから, 果実類を寒天で固めたものやヨーグルト和えに変化した。
8) 38種類の食品の購入価格の年次推移は, 卵類, 砂糖類では2倍以下, 鯨肉を除く獣鳥肉類, 乳類, 油脂類, 調味料の一部は2~3倍, 精白米, みそ, 温州みかんは約5倍に上昇していた。
9) いも類, 魚介類, 野菜類の購入価格は, 食品の種類によって大差があった。魚介類では, さんま, さば, あじ, たら, するめいかなどが11~18倍に上昇して, 食費の9.6倍を上回っていた。
10) 1食の食費に占める穀類, 魚介類, 獣鳥鯨肉類, 乳類・卵類, 野菜類 (いも類含む), 果実類の価格の変動比率を食品群別に検討すると, 穀類が経年的に低下して, 1962年度の36%が1992年度では16%を示した。
11) 1食の食費に占める魚介類の価格の比率は5~14%で, 獣鳥鯨肉類の9~28%よりも低かった。また, 乳類・卵類は両者合わせても4~9%であった。
12) 1食の食費に占める野菜類 (いも類含む) の価格の比率は, 摂取量の増加に伴い上昇し, 1962年度の15%が1992年度では27%になった。果実類は1962年度1%, 1992年度7%で食費に与える影響は少なかった。
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