E-journal GEO
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調査報告
陝北黄土高原における農業生産構造の変化が化学肥料・農薬使用量の増加に及ぼす影響
原 裕太西前 出
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2018 年 13 巻 2 号 p. 511-533

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抄録

黄土高原では近年,化学肥料と農薬の過度な施与による土壌,水質汚染が顕在化している.この間,従来の農業生産構造は,農村振興や土地劣化対策によって変容を余儀なくされており,化学的環境負荷の増加と共にその関連性を包括的にみる必要がある.本稿では陝北地域を対象に,重回帰モデルを用いて,化学肥料および農薬使用の地域間,年度間の差を説明する因子を抽出した.その結果,多くの養分量を必要とするリンゴ栽培の拡大に加えて,加工・換金を主目的とするジャガイモやトウモロコシの栽培面積と頻度の増加,土壌肥沃度の維持・向上に有用な家畜糞の減少,強いアレロパシー効果を有し雑草の抑制が期待されるアワやヒマワリ等の栽培縮小が,化学肥料,農薬の使用促進に強く寄与してきたことが示された.

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© 2018 公益社団法人 日本地理学会
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