学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
熊リハパワーライス®は脳卒中回復期の栄養状態や機能的予後を改善する
嶋津 さゆり吉村 芳弘上野 いずみ工藤 舞白石 愛備瀬 隆広長野 文彦濱田 雄仁
著者情報
キーワード: 中鎖脂肪, 低栄養, 脳卒中
ジャーナル フリー

2019 年 1 巻 3 号 p. 149-156

詳細
抄録

【目的】脳卒中回復期における熊リハパワーライス®の臨床効果の検討.

【対象と方法】2015年から2016年に連続入院した脳卒中回復期患者204人を対象とした後向きコホート研究.物性や分量,味や匂いを損なわず,軟飯に中鎖脂肪酸とたんぱく質を混ぜ込んだ熊リハパワーライス®を用い食事管理を行った患者群と,通常の食事管理を行った患者群の単変量解析,意識状態,嚥下レベル,栄養状態,日常生活自立度(FIM運動)等,12項目の傾向スコアでマッチングした2群間の検討と退院時FIM運動を従属変数とした多変量解析を行った.

【結果】対象者は204人(平均年齢73.6歳,男性109人,女性95人),脳梗塞127人,脳出血62人,くも膜下出血15人.マッチング後(両群とも38人)では,熊リハパワーライス®摂取群は非摂取群と比較して多くのエネルギーを摂取し,体重と骨格筋量が増加,退院時の常食摂取の割合が高く,FIM運動が高かった(全てp<0.05).多重回帰分析では,熊リハパワーライス®摂取は退院時FIM運動に独立して関連していた(β=.169, p=0.02).

【考察】熊リハパワーライス®は脳卒中回復期における栄養改善,身体機能改善に有効である.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top