学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
局所進行口腔がん術後症例における新規嚥下調整食導入の効果と安全性の検討
川名 加織, 井田 智, 佐々木 徹, 小泉 雄, 白尾 浩太郎, 鵜沼 静香, 熊谷 厚志, 中濵 孝志, 峯 真司, 比企 直樹
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2019 年 1 巻 3 号 p. 140-148

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抄録

【目的】局所進行頭頸部がん患者の多くは術後に摂食嚥下機能障害をきたす.安全な摂食嚥下リハビリテーションには,適切な食形態の選択が必要である.しかし,当院では標準化された嚥下食がなく,改善が求められていた.そのため,学会分類2013をもとに新たに開発導入した嚥下食の安全性と効果を検討した.【対象および方法】2012年8月から2016年7月までに口腔がんに対し切除・再建術を行った99例(旧嚥下食群(C群)47例,新嚥下食群(N群)52例)を対象とした.経口摂取開始から経鼻経管栄養チューブ抜去,退院までの期間,誤嚥性肺炎発症率などの術後経過を2群間で比較した.【結果】経口摂取開始から退院までの期間はC群で22.0日(16.0-32.8日)に対し,N群では16.0日(12.3-25.0日)であり,N群で有意に短縮していた(p=0.002).また,誤嚥性肺炎発症率はN群で少ない傾向にあった(C群:N群=10.6%:3.9%,p=0.19).さらに,誤嚥性肺炎発症患者での経口摂取開始から経鼻経管栄養チューブ抜去までの期間もN群で短い傾向にあった(C群:N群=19.0日:10.5日,p=0.43).【結論】N群はC群に比べて誤嚥性肺炎発症率を上げることなく安全に新嚥下食を導入できた.さらに,口腔がん術後患者の多岐に渡る嚥下障害に対して適した食形態を選択することができ,新嚥下食は摂食嚥下リハビリテーションを円滑に進めるための効果が期待された.

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© 2019 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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