学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
症例報告
幼児のoral aversion(経口摂取嫌悪)に対する急速経管栄養減量プログラムによる経管栄養離脱の試み
佐藤 由美照井 慶太中田 光政宮森 祐子嶋 光葉野本 尚子古川 勝規
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2019 年 1 巻 3 号 p. 174-180

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抄録

【目的】経管栄養が長期化している児では,経口摂取が可能であるにも関わらず嫌悪する場合がある(oral aversion).計画的な経管栄養減量プログラムの経験を得たので報告する.

【方法】外来で摂食・嚥下機能,栄養状態,食環境を評価し,入院1~5日目に経管栄養を10%ずつ50%まで減量(空腹誘導期),入院6日目に経管栄養を中止(集中的減量期)し,経口摂取を促した.

【結果】症例1:先天性横隔膜ヘルニア術後2歳,経鼻胃管管理.空腹誘導期に経口摂取は進まず,集中的減量期に無症候性低血糖が出現.プログラムを中止したが外来にて経口摂取が増加し,プログラム開始27日目に経管栄養を離脱した.症例2:先天性横隔膜ヘルニア術後3歳,胃瘻管理.空腹誘導期に経口摂取が増加し,入院6日目に経管栄養を離脱した.

【結語】本プログラムは経口摂取の増加・経管栄養離脱の契機として有用である可能性が示唆された.

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© 2019 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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