2020 年 2 巻 1 号 p. 57-61
症例は60歳代男性,ADL全介助.自宅では全粥ペースト食を摂取していたが摂取に30分以上を要し,家族が飲み込みの悪さを感じていた.来院1日前に喀痰増加を認め,翌日に食後の意識障害が出現したため当院内科を受診.誤嚥性肺炎の診断で同日入院となった.意識障害があり,絶食で点滴抗生剤加療を開始.加療後は意識障害が改善し,入院後7日目に端座位で改訂水飲みテストを実施し,判定4で全粥ペースト食を開始した.食事摂取に30分以上を要しており,退院前に口腔期障害への介入が必要と判断し,入院後42日目に0°仰臥位で改訂水飲みテストを実施.判定4だったため同体位で食事摂取を開始したところ,摂取時間は15分と短縮を認めた.入院後60日目に端座位で改訂水飲みテストを再検.判定4で,前回と比較し嚥下反射までの時間は短縮を認めた.以降は座位での摂取時間は15分程度であった.一時的な0°仰臥位での食事摂取で摂取時間が短縮した症例を報告する.