2024 年 6 巻 4 号 p. 183-187
【目的】摂食嚥下障害患者において頭部挙上評価が簡易な摂食嚥下機能の指標となるか検討した.【対象および方法】対象は嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査を実施した41例.頭部挙上評価は舌骨上筋機能グレードを使用しグレード4を良好群,グレード<4を不良群とした.最大舌圧,摂食嚥下障害臨床的重症度分類(Dysphagia Severity Scale;以下,DSSと略),Mini Nutritional Assessment Short-Form,Barthel Index(以下,BIと略)を測定した.【結果】98%が低栄養のリスク状態であった.良好群は最大舌圧(p = 0.007)とBI(p = 0.0136)が不良群に比べ有意に高かった.DSSの内訳は2群間で有意差はないものの,不良群ではDSS ≤ 4「誤嚥あり」が72%を占めた.【結論】頭部挙上評価は舌圧測定困難時に簡易な嚥下関連筋群の筋力評価の一助となることが示唆された.