電気泳動
Online ISSN : 2189-2636
Print ISSN : 2189-2628
ISSN-L : 2189-2636
論文種目:総説
逆相タンパクアレイ基盤のがん高精度医療への応用の可能性
増田 万里
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 66 巻 1 号 p. 31-34

詳細
抄録

次世代シークエンサーの飛躍的技術革新によって,国内においても遺伝子パネル検査によるゲノム医療が本格始動し,一般医療においても身近なものとなってきた.しかしながら,既存治療薬が投与可能な遺伝子変異を持つ症例は,がん患者全体の10%に至らず,ゲノム医療の有効性は未だ証明されていない.今後は,ゲノム解析,トランスクリプトーム解析,プロテオーム解析,エピゲノム解析によるデータの統合・補完により,病態の詳細をより正確に把握し治療戦略を提示する高精度医療が必要になると予測される.逆相タンパクアレイ法(Reverse Phase Protein Array:RPPA)は微量検体においても半定量的に正確かつhigh throughputに,シグナルプロファイリングが実施できるプロテオーム技術である.本稿では,RPPA技術のがん高精度医療への応用例と現状,今後のゲノム高精度医療への有用性について紹介する.

著者関連情報
© 2022 日本電気泳動学会
前の記事 次の記事
feedback
Top